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2015年9月24日 ブログ:お彼岸の西多摩霊園|お墓参りにみえる沢山の方々から感じたこと

昨日はお彼岸のお中日、大勢の方がお墓参りにお越しになりました。

今年は大型連休ということもあって、西多摩霊園では例年にないほどの賑わいでした。

お彼岸期間はまだ3日ありますが、すでに8割位の方々はシルバーウィーク中におみえになったようです。

今回は、そんなお墓参りに来る方々に触れて、私が個人的に感じた事をお伝えしたいと思います。

今は空前の「終活」ブーム?

最近は「終活」という言葉が流行し、テレビや新聞、雑誌などでも「お墓」について取り上げられる事が増えましたね。

さらには「墓じまい」なんて言葉まで取り上げられています。

まるで「もうお墓は要らないもの」とでも言いたいような感じすらあります。

実際に、最近の都立霊園の応募状況をみると、一般のお墓よりも合葬式のお墓に応募が集中しています。

またビルの中にあるような納骨堂、海に遺骨を撒いてしまう散骨なども注目されています。

しかし、メディアに取り上げられている「お墓事情」、実際はどうなんでしょうか。

都立霊園にみる合葬墓の需要

都立小平霊園を例にみると、合葬埋蔵施設・樹林埋蔵施設の人気が非常に高い事が分かります。

→ 都立霊園公募結果

中には倍率が30倍を超える区分もあります。

しかし、よく見ると人気がある区分は「生前申込」であることが分かります。

すでにご遺骨がある方の応募状況は、それほど大きな変化はないのが現実です。

特に合葬埋蔵施設に関して言えば、小平霊園に樹林埋蔵施設が出来る前、すなわちメディアに取り上げられる前までは、その倍率は2~3倍程度でした。

それが「終活」ブームに乗ったメディアで報じられると、急に応募が殺到したという事ですね。

そして、殺到している方々のほとんどが「生前申込」ということです。

何故、生前申込が多いのか

お客様とお話をさせて頂くと「子供に(周りに)迷惑をかけたくない」と、言葉にする人が非常に多くなりました。

ちょっと待ってください。

何が「迷惑」なのでしょうか、本当に「迷惑」なのでしょうか。

どのような状況になっても、子が親を想う気持ちに「迷惑」なんて言葉はありません。

皆さんが言う「迷惑」とは実のところ、経済的なことを言っているようです。

長期入院や葬儀などで、多くの費用が掛かったうえに、今度はお墓を建てる。

そのような費用を子供たちに負担させたくない。

そういう事ではないでしょうか。

だったら元気なうちに準備をすれば良いだけです。

逆に言えば、元気なうちに準備をしないから、結果として「迷惑をかけてしまう」のではないでしょうか。

合葬墓にこだわる必要性はありませんね。

家族がうれしくなるようなお墓を建てれば良いのです。

「お墓」は誰のために建てるのか

「お墓」という機能上、亡くなられた方のご遺骨をお納めするわけですから、「お墓」は亡くなられた方のために建てる、と言うのは確かでしょう。

でも、それだけでしょうか。

私ごとで申し訳ありませんが、「こういう事のためにお墓があるんだ」と思った事を書かせて頂きます。

10数年前に私の義母が亡くなりました。

母1人、娘2人という家庭で育った妻には、とても辛い出来事でした。

その妻がお墓参りに行くと、一生懸命にお墓の掃除をして清めます。

墓

そしてお墓の入口に腰掛け、静かにお墓と向き合い、亡き母と言葉を交わしているのです。

私が声を掛けなければ10分でも、15分でも、じっとお墓と向き合っているのです。

これは10年以上経った今でも同じです。

大切な方が亡くなっても、お墓に行けば会える。

そう教えられた気がしました。

「お墓」は亡くなった方のためでもありますが、むしろ「残された方のためにある」と言うべきものなのかもしれません。

視点を180度、変えてみましょう

最近の風潮では「自分」が中心にあり、周りの人への配慮が足らないような気がします。

自分からの視点ではなく、周りの人が自分をみる視点で考えると、また違ったものが見えてくるのではないでしょうか。

例えば、お孫さんが「おじいちゃん、おばあちゃんに逢いにお墓参りに行きたい」と言ってる姿を想像してみましょう。

お墓の前で集まった家族や親せき・知人が、あなたの事を思い出しながら語り合っている姿を想像してみましょう。

その人たちの心の中では、あなたは生きているのと同じです。

そしてお墓があるからこそ、人が集まり、想いを寄せるのです。

そこは決して合葬墓などではありません。

まして散骨では、逢いに行く場所すらないのです。

お墓参り

よく「亡くなった人を思う気持ちが大切」とか言います。

本当でしょうか。

何かと忙しい現代社会です。

お墓があっても、なかなかお墓参りに行けない場合だってあります。

そんな中、お墓そのものが無くて「気持ち」を維持する事ができるのでしょうか。

せめて「お墓」があれば、心のどこかに「想う気持ち」を持ち続ける事が出来ますよね。

だからこそ、日本人に合った「お墓」が生まれたのではないでしょうか。

最後に

もちろん、納骨堂や合葬・散骨が悪いと言うつもりはありません。

人それぞれに考え方が違います。

だた、どのような形を選択するにしても、家族や周りの人とよく相談されてからお決めになってください。

決して、「終活」という言葉だけを頼りに、自分勝手に決めないようにしましょう。

一番大切なことは人と人との繋がり、「絆」であって、決して「終活セミナー」などではありません。

今回のお彼岸では19日から昨日までの5日間、本当に多くの方々がお墓参りにいらっしゃいました。

ご家族総出で来る方、足が悪くても杖を使いながら来る方、たった一人でも来る年配の方、本当に様々な方がおみえになりました。

そのお一人お一人の行動には、大切な方を想う気持ちが込められているのです。

そのお姿をみて、「日本人にとってお墓がどれほど大切なものなのか」をより深く感じる事ができました。

お彼岸中にお墓参りに行けなくても、心の中にお墓を想い浮かべて、亡き方の事を想い出してください。

きっと、その想いは届くはずです。

古くから伝わる日本の文化、これからも大切にしていきたいものですね。